古地図と地名でたどるご先祖の土地|大字・小字・旧土地台帳の活用法

「戸籍は明治のはじめまでたどれたけれど、その先が知りたい」「ご先祖がどんな土地で、どんな風景の中で暮らしていたのか想像してみたい」——家系図づくりを進めていくと、そんな思いが静かに芽生えてくるものです。実は、戸籍の記録が途切れた先にも、ご先祖の足跡をたどる手がかりは残されています。その代表格が「古地図」と「地名」です。

地名は、ご先祖が遺した最も息の長い記録

戸籍の本籍地には、現在の住所とは異なる古い地名が記されていることがあります。この一つひとつの地名こそ、文字を書き残せなかった時代のご先祖までもが日々口にしてきた、最も息の長い記録といえます。地名を丁寧に読み解くことで、その土地の成り立ちや、ご先祖が営んでいた暮らしの輪郭が少しずつ見えてきます。

地名には、その土地の地形や生業(なりわい)、昔の出来事が刻まれていることも少なくありません。たとえば水辺や湿地を思わせる文字、田畑の開墾にちなんだ文字、神社や寺院に由来する文字など、地名そのものがご先祖の暮らしを語りかけてくれます。まずは本籍地の地名を、そんなまなざしで見つめ直してみることが、ルーツ探しの第一歩になります。

明治の町村合併と「大字・小字」のひみつ

明治22年(1889年)の市制・町村制の施行により、全国で小さな村々が合併し、新しい町や村が誕生しました。このとき、それまで独立していた旧村の名前の多くは、新しい町村の中の「大字(おおあざ)」として受け継がれていきました。

  • 大字(おおあざ):合併前の旧村名を残した区分。ご先祖が属していた「ムラ」の単位にあたります。
  • 字・小字(あざ・こあざ):村の中をさらに細かく分けた区画の呼び名。田畑一枚ごとに小さな地名が残っていることもあります。

戸籍に記された大字・小字をたどれば、ご先祖が暮らした場所を、驚くほど狭い範囲まで絞り込めることがあります。

古地図で、ご先祖の暮らした風景を眺める

地名の見当がついたら、次は古地図の出番です。明治以降の地形図や古地図は、近年ではインターネットで気軽に閲覧できるものが増えています。

  • 国土地理院「地図・空中写真閲覧サービス」:明治期以降の旧版地形図や、戦後の空中写真を閲覧できます。
  • 今昔マップ on the web:昔の地形図と現在の地図を並べて見比べられる無料サイト。同じ場所の移り変わりが一目でわかります。

当時の地図には、今は失われた川の流れや田畑、古い街道や神社・お寺が描かれていることもあります。ご先祖が歩いたであろう道を目でたどる時間は、家系図づくりならではの、胸に迫るひとときです。

「土地」からたどる——旧土地台帳という手がかり

地名と並んで心強いのが「旧土地台帳」です。これは明治20年頃から昭和にかけて、土地の課税のために作られた台帳で、もとは税務署が、現在は法務局が保管しています。戸籍とは別の資料として、次のようなことがわかります。

  • その土地の所有者が、どのように移り変わってきたかを確認できます。
  • 戸籍に記された古い地番が、現在のどのあたりに当たるのかを特定する手がかりになります。
  • 戸籍をさかのぼれる限界の、さらに一歩先——ご先祖と土地との結びつきを教えてくれます。

なお、古い地籍図などはすべての地域に残っているわけではなく、保存状況は地域によって異なります。この点はあらかじめ知っておくと、調査がスムーズに進みます。

まずは、ここから始めてみましょう

  • ご自宅にある戸籍(特に古い除籍・改製原戸籍)の本籍地の地名を書き出してみる。
  • その地名を今昔マップや国土地理院のサービスで検索し、昔の地図と今の地図を見比べてみる。
  • さらに詳しく知りたい土地は、管轄の法務局で旧土地台帳を調べてみる。

地名と古地図は、戸籍の数字や文字だけでは見えてこない「ご先祖の暮らしそのもの」を、そっと今に伝えてくれます。一枚の古地図から広がっていくルーツの物語を、どうぞ心ゆくまでお楽しみください。

家系図・ルーツ調査のこと、まずはお気軽にご相談ください。

無料相談・お見積りはこちら